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マンガ『はだしのゲン』の扱いについて神奈川県教委へ要請書を提出

 横浜詩人会議は、以下の要請文を、神奈川県教育委員会 教育委員長に提出しました。


神奈川県 教育委員会
 教育委員長  様

マンガ『はだしのゲン』(中沢啓治作)の扱いについて(要請)

 日頃、神奈川県の教育行政にご尽力いただいていることに敬意を表します。
本日、「要請書」を送らせて頂くのは他でもありません。
 先日来いくつかのメディアによって、県請会の席上で標記の書物に対する″閲覧制限″問題の議論があり、貴委員会としては「検討するようにと要求されたと受けとった」との発言があったと報道されました。
 私たちは、″言葉を使って、よりよい社会の建設に役立ちたい、″と願い活動しており、最大の暴力である″戦争″には一貫して反対して参りました。さきの大戦末期に起った沖縄諸島で非戦闘員を巻き込んだ″地上戦″や広島・長崎へ投下された原子爆弾の悲劇は、その象徴的出来事と考えます。
 同作品はその刊行以来、被災・被爆の地への学習旅行などを促し、次代を担う子どもたちへ平和の尊さを知らせ、その成長につれ多くの働き手を作りだして来たことは誰も否定することはできないでしょう。
 ″閲覧制限“を主張される人たちの中には、作品中に「過激な描写がある」「発達段階によって一定の配慮が必要」と、同著を子どもたちの目から遠ざけようとするかの発言をされている方があります。
 しかし、その時当地で生活し学んでいた児童たちは、発達段階に関わらず、想像を絶する悲惨な状況を目の当たりにしながらも、事実を目に焼き付け、心に刻み、苦しさ悲しさを乗り越えて、その後の人生を生き抜き、語り部にもなって立派に、戦後日本社会建設の担い手となって来たのではないでしょうか。
 そのことは、2011年の東日本大震災とその後の日々の中で、わが日本国民が経験して来たことを振り返っても明らかなことと思われ、子どもたちの目をふさぐことによっては、決して彼らの未来の生きる途を幸せなものには出来ないと考えます。
 以上の考えから私たちは、今この時期に「検討する」ための「教育委員会議」「協議会」を開<ことが、彼らの幸せな未来を保証することにはならず逆に大きな禍根を残すことになるのではと憂慮いたします。
 教育委員長、教育委員会の先生方がご賢察の上、新たな[検討]等を始めるのでなく、未来を託する子どもたちへ秀れた文化、書物を引き継いで下さるよう要請いたします。

2013.12.4
      横浜詩人会議 

テーマ : お知らせ
ジャンル : 小説・文学

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