受け継ぐ 須田 嘉文
受け継ぐ 須田 嘉文
小学生のころ
「将来の夢はなんですか」
先生からよくある質問
野球選手 パイロット 大工さん
当時人気の職業に興味はなく
早く大人になることを願っていた
中学生のころ
父が夢を語ってくれた
「せっかく生まれたのだから
自分の名前を歴史に残したい」
そう語った父親は
当時も今も生粋の活動家
三〇代後半のいま
「須田さんとこの 息子さんだよね?」
見知らぬ人から声を掛けられたのは
二度三度ではない
父の名が残っている
誇らしい実感があった
父に人徳はあるが 実家は余裕がない
過去も含めて
家族は父の活動に 批判の気持ちが強い
活動家が持つ 悩みだろう
両親が 働けなくなったいま
支えは 一人っ子の自分だけ
息子という義務に頭を悩ませる
同時に
父の人徳をどう受け継ぐのか
これからの自分にかかっている
目指すは
「良いことで歴史に名前を残す」ことだ
「京浜詩派 第219号」(2017年9月発行)より
小学生のころ
「将来の夢はなんですか」
先生からよくある質問
野球選手 パイロット 大工さん
当時人気の職業に興味はなく
早く大人になることを願っていた
中学生のころ
父が夢を語ってくれた
「せっかく生まれたのだから
自分の名前を歴史に残したい」
そう語った父親は
当時も今も生粋の活動家
三〇代後半のいま
「須田さんとこの 息子さんだよね?」
見知らぬ人から声を掛けられたのは
二度三度ではない
父の名が残っている
誇らしい実感があった
父に人徳はあるが 実家は余裕がない
過去も含めて
家族は父の活動に 批判の気持ちが強い
活動家が持つ 悩みだろう
両親が 働けなくなったいま
支えは 一人っ子の自分だけ
息子という義務に頭を悩ませる
同時に
父の人徳をどう受け継ぐのか
これからの自分にかかっている
目指すは
「良いことで歴史に名前を残す」ことだ
「京浜詩派 第219号」(2017年9月発行)より