まさかのとき げん
まさかのとき げん
五十七歳の僕が
二十二時まで稽古して
まだまだ居酒屋で
台詞をおさらいし
隣のお客さんが
演劇やってるんですか
と声かけて来て
アマチュアなんですけど
と
すると
今度は オーナーが
以前歌舞伎の裏方やってました
となり
そうしたら
ママは 美空ひばりの衣装
やってました となって
そんなこんなで
今日もチラシを
置いてもらうことになり
ああ まるで学生みたいに
こんな時間を過ごし
ああ こんな時間まで
罪の意識を
感じるべきなのか
しかし
このなんでもない
何かに変えがたい時を
どうしよう
京浜詩派 第219号より
五十七歳の僕が
二十二時まで稽古して
まだまだ居酒屋で
台詞をおさらいし
隣のお客さんが
演劇やってるんですか
と声かけて来て
アマチュアなんですけど
と
すると
今度は オーナーが
以前歌舞伎の裏方やってました
となり
そうしたら
ママは 美空ひばりの衣装
やってました となって
そんなこんなで
今日もチラシを
置いてもらうことになり
ああ まるで学生みたいに
こんな時間を過ごし
ああ こんな時間まで
罪の意識を
感じるべきなのか
しかし
このなんでもない
何かに変えがたい時を
どうしよう
京浜詩派 第219号より