大砲とおふくろ いだ・むつつぎ
大砲とおふくろ いだ・むつつぎ
たくさんの大砲を乗せた列車が行く
小学生のぼくは一つ二つと大砲を数える
家にかえり、ぼくはおやじに伝えた
数珠つなぎになった大砲、列車にのって西の方へ
聞いていたオヤジ、急に顔色を変え
バカモーン、ぼくの頭にゲンコツ
軍隊の動きを他人に話したら一大事
このことがおまわりに知れたら
おまえは駐在所へつれて行かれるぞ
ぼくの歯はカチカチ鳴り、やたらと涙が出る
そのときおふくろの声、ご時世だ気いつけろ
そしてぼくの肩を、そっとさすってくれた
京浜詩派 第219号より
たくさんの大砲を乗せた列車が行く
小学生のぼくは一つ二つと大砲を数える
家にかえり、ぼくはおやじに伝えた
数珠つなぎになった大砲、列車にのって西の方へ
聞いていたオヤジ、急に顔色を変え
バカモーン、ぼくの頭にゲンコツ
軍隊の動きを他人に話したら一大事
このことがおまわりに知れたら
おまえは駐在所へつれて行かれるぞ
ぼくの歯はカチカチ鳴り、やたらと涙が出る
そのときおふくろの声、ご時世だ気いつけろ
そしてぼくの肩を、そっとさすってくれた
京浜詩派 第219号より