引っ越し 須田 嘉文 京浜詩派第218号より
引っ越し 須田 嘉文
「おまえが生まれる前からあったもの
捨てるなんて」
実家の引っ越しが終わり
久々の会話が 母の愚痴
狭くて 入らないものが多かった
結婚記念 父手作りのタンス
四〇年以上も飾られた 古酒の数々
母若き頃の洋服・和服は タンスひとつ分
僕が使った 端午の節句
ランドセルや習字道具のセットも
ダンボールに入った リストラ対象
最後まで処分を拒んだ母に 結局根負け
狭くなった実家
「愚痴」と「思い出」で溢れていた
引っ越し 須田 嘉文 京浜詩派第218号より
「おまえが生まれる前からあったもの
捨てるなんて」
実家の引っ越しが終わり
久々の会話が 母の愚痴
狭くて 入らないものが多かった
結婚記念 父手作りのタンス
四〇年以上も飾られた 古酒の数々
母若き頃の洋服・和服は タンスひとつ分
僕が使った 端午の節句
ランドセルや習字道具のセットも
ダンボールに入った リストラ対象
最後まで処分を拒んだ母に 結局根負け
狭くなった実家
「愚痴」と「思い出」で溢れていた
引っ越し 須田 嘉文 京浜詩派第218号より