めがね 梅津 弘子 (京浜詩派 第218号より)
めがね 梅津 弘子
赤 黒 水色 ランドセルが舞い
三人 五人と 明るい声
昼下がりの住宅街 道々に漂う
校門前 六人の子どもの輪
孫の智ちゃんの顔もある
あれ めがね いつから
「智ちゃん 勉強のしすぎかな」 私の声に
隣の家の翔ちゃん すかさず
「智ちゃんのおばあちゃん 違うよ
ゲームのしすぎだよ」
あれ 一本とられた
智ちゃんのホッペが膨らむ
数日後 息子一家と昼飯会
めがねが話題
遺伝ですって ママの言葉
あらら サッカーの時どうするの
ゴーグルです 四万円もするんです
あらら ママのパートは減りそうもないね
隣のテーブルから
「昔はな 弱視は兵隊になれなかったんだ」 と
見知らぬ古老の声
「戦争に行かなくて良かったのですか」
息子は なにやら ホットした声
しばし
古老の 戦争体験話に 耳を傾ける
「めがね」 梅津弘子 (京浜詩派 第218号より)
赤 黒 水色 ランドセルが舞い
三人 五人と 明るい声
昼下がりの住宅街 道々に漂う
校門前 六人の子どもの輪
孫の智ちゃんの顔もある
あれ めがね いつから
「智ちゃん 勉強のしすぎかな」 私の声に
隣の家の翔ちゃん すかさず
「智ちゃんのおばあちゃん 違うよ
ゲームのしすぎだよ」
あれ 一本とられた
智ちゃんのホッペが膨らむ
数日後 息子一家と昼飯会
めがねが話題
遺伝ですって ママの言葉
あらら サッカーの時どうするの
ゴーグルです 四万円もするんです
あらら ママのパートは減りそうもないね
隣のテーブルから
「昔はな 弱視は兵隊になれなかったんだ」 と
見知らぬ古老の声
「戦争に行かなくて良かったのですか」
息子は なにやら ホットした声
しばし
古老の 戦争体験話に 耳を傾ける
「めがね」 梅津弘子 (京浜詩派 第218号より)