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大地を継ぐ  磐城 葦彦(京浜詩は217号より)

大地を継ぐ  磐城 葦彦


福島第一原発が爆発し
周辺の農地は すべて出荷停止されたが
あれから五年余経ったいまも
まだ風評被害はやまない

安全な農作物を 長いこと
作りつづけてきた人が
畑のなかの木で 首をつって命を絶ったのを
どうして忘れられようか

有機農業のためにこしらえた腐葉土も
汚染されてしまったから
作物の 出回っていく先も失われてしまい
福島産だから 買わないと伝えられた

あのときのくやしさを
どうしていくか

ウラン鉱山の歴史を思いながら
ふるいたっていく勇気

食いたくない 食えないから
次から次へと 広がっていく言葉のむこう
大地は 小さくしぼんでしまうが
いつまでも 翻弄されてはたまらない

この現実にどこまでも肉薄し
立ち上がっていくひとたち
沈黙してはいられない
愛し 育ててきた大地を 目の前に

なにかを 伝えたい
希望の大地が まだ あるのを
受け継いでいくのを みつめなおしたい
ここに 存在しているのを

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

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