忘れられぬ日は げん (京浜詩派217号より)
忘れられぬ日は げん
年の暮れ 女房の実家へ帰りました
三・一一で被災して大船渡の実家が流されて
盛岡に移り住み そこが今の実家
二〇一一年三月から丸五年と九ヶ月
義父と義母は 元気なんです が
歳をとりました
毎日 毎日 あの被災の日々から遠ざかるように
記憶の渦は遠のいていきます
毎日 毎日 繰り返してきた生活が
少しずつ崩れ 覆い難く 小さな穴が空いていきます
食べて 寝て 寝て食べてその繰り返し
見知らぬ土地は
帰る道のないふるさとのようで
やがて
僕も妻も
順番に
同じ道をいくと思います
だから今は今の忘れられぬ日々が
かき回され 疲れてしまうことがあっても
今だけの時間を
人間の在るべき姿をそうっと心で抱き
少しだけ
支えになりたいと思います
年の暮れ 女房の実家へ帰りました
三・一一で被災して大船渡の実家が流されて
盛岡に移り住み そこが今の実家
二〇一一年三月から丸五年と九ヶ月
義父と義母は 元気なんです が
歳をとりました
毎日 毎日 あの被災の日々から遠ざかるように
記憶の渦は遠のいていきます
毎日 毎日 繰り返してきた生活が
少しずつ崩れ 覆い難く 小さな穴が空いていきます
食べて 寝て 寝て食べてその繰り返し
見知らぬ土地は
帰る道のないふるさとのようで
やがて
僕も妻も
順番に
同じ道をいくと思います
だから今は今の忘れられぬ日々が
かき回され 疲れてしまうことがあっても
今だけの時間を
人間の在るべき姿をそうっと心で抱き
少しだけ
支えになりたいと思います