fc2ブログ

刹那の出来事 げん (京浜詩派216号より)

刹那の出来事   げん

それは あっと言う間の一瞬の出来事だった

僕等は今日も
誰もが時々笑い
時々お互いを横目でみながら
否応なくまっすぐ進み
否応なく幸せそうに
じゃれ合うように
今日と違う明日を夢想することもなく
進んでいた

そこに
どいてください!
叫ぶように後ろから突っこんでくる塊
誰もが子羊にように道を開け
振り返ると
その姿は
裸足の少女だ!
少女は長い髪をたなびかせ
ただひたすらに人々の真ん中を
疾風の如く突き進む!そのまま
交差点で点滅する信号も無視して
突き進む!

おお!
驚嘆を残して
少女は横断歩道を白黒の鍵盤のように駆け上がり
ほのかな香りを残して
そのまま
空高く 消えていった!

あまりにも鮮やかな
現実なのか非現実なのかの区別もつかない
一瞬
あまりにも儚い刹那の出来事

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
最新記事
カテゴリ
リンク
最新コメント
プロフィール

横浜詩人会議

Author:横浜詩人会議
詩を書いて見ませんか?
こころの豊かさを願い、詩の作品にひかれるみなさん。あなたの感性で 暮らし 人生を語り 詩を書いて見ませんか?
掲載する詩誌は「京浜詩派」です。
連絡をお待ちしています。

月別アーカイブ
RSSリンクの表示
最新トラックバック
QRコード
QR
訪問者数
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
714位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]

53位
アクセスランキングを見る>>