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詩人会議 2020年7月号

詩人会議 2020年7月号


詩人会議7月号には、横浜詩人会議からは、以下の作品が掲載されました。

 短詩:梅津弘子「アベマスク」、
 きみあきら「武器」、
 小泉「戦略家」、
 洲「辞められない」、
 府川きよし「日本大使館」、
 まえだ豊「僕ら」

グループ誌代表作品:「京浜派」229号より 国枝健「ペリカン万年筆」

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

愛犬と   須田 利正

愛犬と   須田 利正


愛犬ダイヤ ソワソワ
私を見て しっぽフリフリ
両手を上げ 寄りかかる
いつもの散歩の合図
わかったよ 郵便局までいこうね

もうすぐ一七歳 元気
引っ張るように 階段ぴょんぴょん
早く行こうよ
急がないで あぶないよ

まずは電柱 こんにちは
お世話になります ブロック塀
草花さんも 足上げて
クンクンお友達
右に左に寄り道とくい

郵便局 
ダイヤ ちょっと小包とるから 
まっててね
目パチクリ まるくして
わかったよ 返事しているよう

小包の支払いし
さー帰ろう
腰までふるふる 大喜び
我慢していたのか
いそいで電信柱 こんにちは

郵便局員 息荒げ
追いかけてくる
鍵付きの小銭入れ 振り上げて
又もわすれた ありがとう
携帯電話紛失したばかり
老いの七一歳



京浜詩派 第230号(2020.6)より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

追悼 磐城葦彦 3作品 

イギリス海岸

わたしの なかの カムパネルラ
あなたの なかの わたし
イーハトーブの 異国情緒に酔いながら
美しく 輝く 岸壁と みどりの
イギリス海岸との 出会いを
どれほど 夢見たか

星雲が 幾つも 解き放った 光の滴が
溢れていると語った 友のことばだったか
あるいは 真黒のフロックコートを羽織った
荒地を みつめていた 詩人だったか
岩手山と対峙した 姫神山から吹いてきた
セロの奏でる 風の歌に 誘われ
わたしは 野宿も 覚悟で 旅立った

注文の多い店で コーヒーを 一杯
銀河ステーションはどこかと 地図を探る

ここは 間違いなく イギリス海岸だ
波打ち際に 立っていると
もののけのかたちが 浮かんできた
それらは みるひとの眼に
想像するがままに みえてくるという

わたしが カムパネルラに 抱いた
じぶんだけの 多情で 勝手な 片思い
ジョバンニに悪い かりそめの 恋
きれいな ルビーの珠を イヤリングにし
あなたに贈ろうと 種山ケ原を 掘ったのも
思えば むなしい作為だったか

わたしの 憧れの イーハトーブ
又三郎が 森を徘徊しているところ
ウルトラマリンの空の下 馬の嘶くところ
だれかが おしゃべりしている
だれかが うたっている

わたしが あなたと
きのうも おとといも さきおとといも
歩んだ あなたの なかの わたし
それなのに きょうは ひとときも
歩こうとしても 足が 動かない
かなしばりにあってしまったか 

イギリス海岸のむこう
早池峰の奥 シグナルが 点滅
遠い 北の 城下町の 友と
黒い帽子をかぶり 後ろ手に手を組んだ
あの 詩人とが わたしを 幻惑し
イーハトーブの 魔力で とりこにしたか

わたしの なかの カムパネルラ
あなたの なかの わたし
いま 二重にかさなりあい 写っているのは
永遠の イギリス海岸の もののけ

 *イーハトーブは、岩手県東部の地方。
イギリス海岸も、宮沢賢治の作品中の呼称。



多喜二とともに


夜が 足早に やってきた
夜が どっぷりと 埋まってしまった
朝が 夜明けを 告げなくなった
朝が 闇をかかえたまま 動かなくなった
昼が とばりを背負い 重くなった
昼が 時間を寄せつけずに 止まった

そういう状況を さまよい
わたしは 多喜二について考えた
そのありかについて考えた

そうだ 多喜二の 生きて死んだときも
同じ 夜と 朝と 昼の 混った
乱れに乱れた くりかえしに
息が できなかったに 違いない

多喜二は どこでも たたかった
たたかいの一兵士は どこへでも出向き
はたらくものたちの姿を 直視し
たしかめながら 血と汗を 書きつづけた
筆こそは 鋭い 銃眼
撃つ相手は あいつらだ
官憲との弾圧との たたかいだ

「文章は海綿だ」
「作者の心理と感情だ」
「たっぷりと浸れ」
「プロレタリア的に生き生きとして……」
「生活と行動」
「そこから生まれるのが……」
たたかいの のろしだ と
わたしは いまになって五体が
ふるえるほど 強く 感じた

勝手な きままな 支配と権力のふるまい
首切りも あたりかまわず 横行
いつになっても あいつらは 存在
弱いものは いつも 弱く
きのうも きょうも あしたも
のたれ死と 同じ
その先は どうなるか

多喜二は 暗い深淵のむこうで
手を ふっているか
かすかな 燐光を 放っているか

ごうもんの果てに 息絶えたが
多喜二は 一歩 また 一歩 と
たたかったから 殺されたが
わたしのなかの 多喜二は 死んでいない
多喜二の 言葉は 不滅

いまも この世は 戦場だ






何度でも問う 平和を


大海原のむこう たくさんの国がある
たたかいをやめないで 血を流している
貧しく 飢えた 国がある

かつて 祖国は 同じように
いのちを失い 町も 村も 荒れ果て
再生の道さえも 失ったが
あかりをともし 生きる力を呼びおこし
未来へつないだのは 平和の証し 九条
この道を歩くかぎり 失うものはない

殺さない 殺されない 教訓を
治夏秋冬 辻説法で 何度でも 問おう
無力なんかではない 詩人の言葉で
きょうも また わたしの心は高鳴る


京浜詩派 第230号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

京浜詩派 第230号 追悼 磐城葦彦












京浜詩派 第230号

発行日 2020年6月1日
発行 横浜詩人会議
印刷所 貴峯荘ワークピア印刷科

頒価 300円

テーマ : 詩集・詩誌・詩に関する本
ジャンル : 小説・文学

「詩のパンフ」より 詩 を 2編

パラシュート考
          青木 みつお


パラシュート降下部隊に参加の
女性自衛隊員は緊張した顔だった
一九四四年この基地に行ったぼくは
入営する叔父を父と送った
実は出征を免除されていた
叔父はパラシュート会社の役員だった
いま水陸機動団は米軍と訓練し
高機動ロケット砲システム
揚陸艦のライフル訓練をしている
共同訓練は精鋭部隊づくりだ
女性隊員の真剣な顔つきは
前線に出るという戦争政策に
組みこまれることになる
まもるといいながら攻めるのが軍隊
広く世界を見てほしい



いのち讃歌
       浅尾 忠男


生後二ヵ月
白い産衣にくるまって
ねむっている
ときどき
瞳をあけては
また とじる
指をにぎりしめては
また ひらく
向葵(あおい)という名の
曾孫をいだく
米寿をむかえる
ふるえる両手で
いのちをかかえる



テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

詩のパンフ『平和と立憲主義のために 5』を発行



横浜詩人会議内外の詩人の作品を載せた詩のパンフが発行になりました。

今回は、コロナ禍のなか、印刷・製本を業者にお願いしました。
そのため1冊50円の頒価となりました。

頒価 50円

発行月日 2020年5月3日
発行 「詩のパンフ」編集委員会

テーマ : 詩集・詩誌・詩に関する本
ジャンル : 小説・文学

府川きよし 流域の自由民権運動の歴史 「花水川物語」外伝

流域の自由民権運動-府川きよし詩集


流域の自由民権運動
流域の自由民権運動


府川きよし詩集「流域の自由民権運動 『花水川物語』外伝」

2020年3月1日 初版発行
著者 府川きよし
発行所 横浜詩人会議
印刷所 貴峯荘ワークピア印刷科

頒価 1000円
-このブログのメールフォームよりお申し込みください。

テーマ : 詩集・詩誌・詩に関する本
ジャンル : 小説・文学

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