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お揃いの湯飲茶碗-児丸九

お揃いの湯飲茶碗-児丸久


児丸久さんの作品が、しんぶん赤旗の読者の文芸欄に掲載されました。
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テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

化け物屋敷   きみ あきら

化け物屋敷           きみ あきら


国家支配権力の奇怪さ
すっかり思い知らされた 
茄子をトマト 南瓜を西瓜 ならまだいい
海が山だ 鳥が蛇だ そう言えと鋭い目つき

国家支配権力って尋常じゃない
太陽は東に沈み 満月は常に中天 宵闇がない
世界がまるで違う
反論は通じない

国家支配権力は化け物に変り果てた
人間に戻れなくなり 墓堀りもぐらに変貌
最後のあがきが始まり 
バリケードの土嚢ばかりが山積みされる

戦争法をむしり取った筈の化け物
自衛隊を南スーダンに連れて行ったが
新鋭の武器を晒らしたまま戦争が出来ない
憲法九条がまだ生きていることに歯ぎしり

戦争法を生殺しには出来ぬ
幸い自衛隊は災害で国民に馴染みが深い
九条の後ろにきちんと正座して戴こう
国民投票で勝つ憲法づくりだと 汗だくだく

正論の返答に悉く窮する
国家支配権力が追い詰められ
あせり いらだち もがく
化け物屋敷で 極刑主義の治安維持法を握りしめ
物見せてくれるわ 形相を変え ほざいている

パチンコ屋で 居酒屋で
戦争で殺されてたまるか とささやき合えば
誰でも構わぬ しょっ引くという戦法にでた 
国民の政府批判が怖いと
でっち上げた共謀罪 正気の沙汰ではない



京浜詩派 第219号から

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

まさかのとき         げん

まさかのとき         げん
 

五十七歳の僕が
二十二時まで稽古して
まだまだ居酒屋で
台詞をおさらいし
隣のお客さんが
演劇やってるんですか
と声かけて来て
アマチュアなんですけど


すると
今度は オーナーが
以前歌舞伎の裏方やってました
となり
そうしたら
ママは 美空ひばりの衣装
やってました となって


そんなこんなで
今日もチラシを
置いてもらうことになり
ああ まるで学生みたいに
こんな時間を過ごし
ああ こんな時間まで

罪の意識を
感じるべきなのか

しかし
このなんでもない
何かに変えがたい時を
どうしよう



京浜詩派 第219号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

パンパンとオンリー    中原 さくら

パンパンとオンリー    中原 さくら
            


 目の前に チョコレート
見上げたら
ニカッ と笑った黒い顔
黒い人は
隣のおばさんの家に入った
事件だ

母ちゃんに報告した

ミサちゃんの旦那だよ
 弟が大勢いたから
 戦後 米兵相手に
 パンパンしていたんだよ
 オンリーだったの
 結婚して 米国に住んでいる
 里帰りだよ

わたしは一〇歳
母ちゃんの話し方で
パンパンは 良くない仕事
オンリーは いいみたい
と感じた

戦争の後も
たいへんだったのか
戦争は いやだ



京浜詩派 第219号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

学者有識者は今出番       野上 敏和

学者有識者は今出番  野上 敏和


大震災から六年
福島の被災者子どもたち
安全です安全です
科学者が叫んだ原発事故
子どもたちに
忍び寄る恐怖

甲状腺がん一五二人と
異常事態の発表があった
一〇〇万人に一人が発症という
確率の病

学者は語った
放射線の影響とは考えにくい と
広島・長崎での被爆者への
対応とおなじ
御用学者・科学者
どうして

アスベストの危険性
その危険性は早くから指摘されていた
厚生省国のお抱えの学者
安全です危険ではありません

公害犠牲者の拡大に
この御用学者が係わる
放射能汚染 工場公害
車の排気ガスは無視・好意的
子ども達の喘息は増えつづける

豊洲市場への移転
環境基準の一〇〇倍のベンゼン検出
学者は語る地上は安全と

学者の権威はないモラルもない
科学者は真理の追究
国民の前に虚偽を語ってはならない
有識者の信頼を失ってはならない

科学者諸君 真実を語れ
評論家諸君 真実を語れ
人類に愛情をもちましょう



京浜詩派 第219号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

大砲とおふくろ    いだ・むつつぎ

大砲とおふくろ    いだ・むつつぎ



たくさんの大砲を乗せた列車が行く
小学生のぼくは一つ二つと大砲を数える
家にかえり、ぼくはおやじに伝えた
数珠つなぎになった大砲、列車にのって西の方へ

聞いていたオヤジ、急に顔色を変え
バカモーン、ぼくの頭にゲンコツ
軍隊の動きを他人に話したら一大事
このことがおまわりに知れたら
おまえは駐在所へつれて行かれるぞ

ぼくの歯はカチカチ鳴り、やたらと涙が出る
そのときおふくろの声、ご時世だ気いつけろ
そしてぼくの肩を、そっとさすってくれた



京浜詩派 第219号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

サラバの国から帰ってきた 

サラバの国から帰ってきた 
山田 南海江

南スーダンのジェバ
あの日 二〇一六年七月八日 朝七時
予定されていた道路補修は中止された
隊員は 
防弾チョッキとヘルメットで
宿舎に籠った

三時間後 
自衛隊の宿営地に隣接するビルに
反政府軍が 立てこもった
反対側に政府軍が 陣取った
宿営地を挟んで 実弾が飛び交った
監視塔を 直撃した
給水塔や倉庫に 食い込んだ

宿営地の横に進んできた 戦車から

反政府軍に向けて
戦車砲が撃ち込まれた
宿営地の建物が
バチーンと 
横にたたかれるように揺れた
「今日が私の命日になるかもしれません
 これも運命でしょう
 今日までのこと本当に感謝します」
震える手で 隊員は書いた
〝ここはアフリカ 自分の故郷が見たい〟
隊員は思った

三日目の七月一〇日 
隣に宿営するルワンダ隊に
市民が逃げ込んだ
反政府軍の兵士が 紛れ込んでいると
政府軍が攻撃した
市民を守るために
バングラデシュのPKOが 撃ちかえした
〝身を守るために必要なら撃て〟と
自衛隊員に 実弾が渡された

南スーダンは こんな国
命にサラバをする国
「戦闘行為はありませんでした」
国会で アベはうそぶく

二〇一七年五月二七日
自衛隊員が帰ってきた
あなたの大事な息子さんは
夜 うなされることがありませんか?
大好きなパパが
いつもイライラしていませんか?
愛する夫が
何も手につかなくて
終日 ボーっとしてはいませんか?

武器を持った自衛隊員には
市民は守れない
〝集団的自衛権行使〟 で
命を落とすのは まっぴらごめん
〝積極的平和主義〟では平和は守れない

実弾を手渡された隊員は
〝身を守るために撃ちかえせば
 市民の犠牲者が出る〟
と思った 
実弾は使われなかった 
憲法九条の精神が
七〇年間で心に沁み込んでいた



京浜詩派 第219号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

水兵達がやって来た    艀 参三

あの戦争のころ・7
水兵達がやって来た     艀 参三


原料となる生ゴムが来ないのに
六月になると
舞鶴から水兵たちがやってきた
が 良くみると
みんな年の頃 四・五十代
少し太りぎみの 徴用兵ばかりだ

何をするのかと 思っていたら
全員 我々がやっている
プレスの横に 整列して
「いいか 中学生の先輩たちから
良く教えてもらって 技術を習得しろ」

何のことはない
我々の仕事を横取りして
いったい三月から動員された
私たちは 何をするのか
作業を教える フリをして
小さな声で
「オッさんたち 艦にのらんと
あかんのと ちがう?」

「もう乗る フネ 無うなって
仕方なしに ここへ来たんや」
私たちは絶句した
あの連合艦隊がいなくなった

水兵たちの居住区は
私たちのところから
庭をはさんだ 向こう側
毎晩「廻れ! 廻れ!」と号令を掛けられ
ヘトヘトになって廊下みがきだ

精神注入棒とは誰が言い出したか
若い十七・八の 班長たちが
おっさんの 太っちょな
尻を叩いて 溜飲を下げている
本土決戦のために かき集められた
爆雷特攻のオッさんたち
私たちの オヤジの年頃で
家では かあちゃんが 泣いている

私たちの クラスでも
勉強の出来る 者たちは
みんな 海兵や陸士を志願して
工場作業から 抜け出している

「やっと 原料が着いたゾ!」
主任の声に 喜び勇んで駆けよると
一㍍角の 生ゴムの塊りが一ケ
表面がまっ白に 塩を吹いている

「こりゃ筏で 流れついたのか」
主任が しぼりだすような声で
原料をみつめて うなっている
あゝ 航空機増産の実体は―

朝礼のあとの ラジオ体操の時間
壇上の か弱い班長の私が
精一杯の運動をしているのに
向い側の廊下の窓に
たむろしている班長連中
「たるんどる 焼きを入れるぞ!」

私の担任は リベラルな画家あがり
「あんな奴を 気にするな
我々は まだ 中学生だ」
その声に 励まされ
細い手足を振ってみせる

昭和二十年の初夏の頃


京浜詩派 第219号 より

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ジャンル : 小説・文学

闘う姿 原 金治

戦う姿   
                           原 金治

二〇一七年五月二〇日
有明コロシアム
WBAミドル級王座決定戦
アッサン・エンダム(仏)対村田諒太

もちろん、村田に勝ってほしい
村田の勝利が見たい
勝っても負けても
なによりも
村田の戦う姿が見たい

防御を固め
前へ
そして
前へ

その闘う姿を
息子晴道君に
そして、私達にも
見せておくれ


 *村田諒太
   一九八六年生まれ。二〇一二年ロンドン五輪ボクシン
   グ・ミドル級で金メダル獲得。
   金メダリストの虚像と闘う男、謙虚さを失わないよう、
感謝の気持を忘れないよう常に心しているボクサー。
   六歳の息子晴道と三歳年下の娘がいる。

後日譚
 この詩は、対戦前日に記した「応援詩」。
 試合は当日テレビで観た。村田の前へ出て戦う姿があった。判定で村田が敗れた。試合終了直後、私は村田の勝利を確信した。エンダムは逃げ回りながら、「手数」をアピールする作戦に出た。「有効打」は村田の方がはるかに多かったことは、素人の私にも明らかに見えた。4ラウンドには村田がエンダムからダウンを奪った。三人のジャッジのうち一人が村田、二人がエンダムの勝利と判定した。
 エンダムの勝利が高らかに宣告された時、私は傍らの妻につぶやいた。
 「不可解だ、納得できない」
そして力なく続けた。
 「これが人生か、理不尽とわかっていても、結果
  を受容れざるを得ない時もある」

 村田にはこの敗北を小さな息子に説明する術はないだろう。悶悶たる思いだろう。村田の胸中を察して私は暗澹たる思いに沈んだ。
 この理不尽をしかと記憶にとどめるために、翌日新聞に掲載された採点表を切り抜いてノートに貼りつけた。村田の負けを採点したのは、パナマのグスタボ・パディージャとカナダのヒューバー・アールである。

 試合から六日後の五月二十六日付け朝日新聞は、世界ボクシング協会(WBA)会長のヒルベルト・メンドザ・ジュニアが、この試合の採点に問題あったとして、村田の負けを判定した二人のジャッジを六カ月の資格停止処分とし、村田とエンダムの再戦を指示したと報じた。異例なことである。
 これで村田の心の傷を癒すことはできないが、再戦を実現させ、村田がエンダムをKOで倒す日が来ることを切に望む。その日は、村田が晴れて息子に勝利を語れる日だ。



京浜詩派第219号より

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「マニカルニカー・ガート」     宮田 京之亮

「マニカルニカー・ガート」
                    宮田 京之亮


十五分に一体の割合
亡くなった人々の遺体が運ばれて来る
ガンジスに浮かぶ遺骸の灰汁と花輪の中
飲み捨てられたペットボトルも浮かんでいる
黒々とした煤煙に燻されたガート
死を待つ者にだけ開かれた漆黒の河岸で
次々と火の粉を上げて焚き上がる最期の炎

焼け落ちて灰となる肋骨の白
ガクンと剥がれ落ちる女性の片足
眼前、肉体は粉となり
精神は再び、還って行く

すっかり燃え尽きた遺灰の上
消火の聖水がかけられる
ボンッ!と一瞬
灰と共に水蒸気は立ち昇り
その遺灰は、河へと還される

“「ヤージナヴァルキァどの
万物は死の食物でありますが、
死を食物にするような神というのは
何方ですか?」

「死とは火神のことです。
そして火は水の食物です。
かように知る者は
再死を撃攘することができるのです。」”

その一部始終を
足を折って尻尾を振りながら
聖なる牛たちが
ただ穏やかな視線で見守っている

一方、火葬する事の出来ない貧者
あるいは、
修行者と子供の遺骸だけは
橙色の布に包まれたまま
身内二人の男によって
一メートルほどの重石を結わい付けられる

私がさっきまで乗っていた石は
死者と共に連れ立って
舟は沖へと漕ぎ出され
家族が最後の別れに一礼する

本当に
旅立って行く
今生の別れである

瞬く間に
遺骸は河の奥深い所へ還り
舟上の男が
最後の一礼をして
岸へと折り返す

宿への帰り道
おしゃべりなサイクルリクシャーの運転手が
車輪を漕ぎ漕ぎ、身の上を語る
村では、一日三十ルピーしか稼げない
だからバラナシへ出て来たと

「サー(旦那)、このリクシャーは
ボスから一日七十ルピーで借りとるでな。
子供は、五人おるよ!」 

“『生物は生命が去れば死ぬ。
しかし、生命が死ぬのではない』

ウッダーラカ・アールニはまたある時、
息子のシヴェータケートゥに
こう言って伝えたと言う”

        ※引用文は、
       『ウパニシャッド
          佐保田鶴治訳』より




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