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体験談   須田 嘉文

体験談   須田 嘉文


「規制の必要はない
守るためには銃が必要」

銃を所有するのは権利
その権利を奪うのは間違い
銃規制に反対している
一人のギタリスト

ラスベガスのカントリー音楽祭 
銃乱射事件が発生
五八名以上の死者
五〇〇名以上の負傷者
凄惨な 大惨事の場
銃声が鳴り止まない状況下
多くの人は 身動きが取れず
無事のまま 鳴り止むのを願っていた
ギタリストも 被害者の一人

事件後 無事だったギタリストが
メッセージを出した

「私は 事件を体験するまで
銃を所有する権利を支持してきた
それがどれだけ間違っていたか
言い表せないほどだ
銃をめぐる現状が
完全に 手に負えなくなっていることに
この経験ではっきりと気付いた
今すぐ銃規制が必要だ 」

武器で守ることの矛盾
音楽とともに 平和への一歩を
世界に発信してほしい


京浜詩派 第220号(2017.12)より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

受け継ぐ     須田 嘉文

受け継ぐ         須田 嘉文



小学生のころ
「将来の夢はなんですか」
先生からよくある質問
野球選手 パイロット 大工さん 
当時人気の職業に興味はなく
早く大人になることを願っていた

中学生のころ
父が夢を語ってくれた
「せっかく生まれたのだから
 自分の名前を歴史に残したい」
そう語った父親は
当時も今も生粋の活動家

三〇代後半のいま
「須田さんとこの 息子さんだよね?」
見知らぬ人から声を掛けられたのは
 

二度三度ではない
父の名が残っている
誇らしい実感があった

父に人徳はあるが 実家は余裕がない
過去も含めて
家族は父の活動に 批判の気持ちが強い
活動家が持つ 悩みだろう
両親が 働けなくなったいま
支えは 一人っ子の自分だけ
息子という義務に頭を悩ませる

同時に
父の人徳をどう受け継ぐのか
これからの自分にかかっている
目指すは
「良いことで歴史に名前を残す」ことだ



「京浜詩派 第219号」(2017年9月発行)より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

引っ越し   須田 嘉文  京浜詩派第218号より

引っ越し   須田 嘉文

「おまえが生まれる前からあったもの
 捨てるなんて」
実家の引っ越しが終わり
久々の会話が 母の愚痴

狭くて 入らないものが多かった
結婚記念 父手作りのタンス
四〇年以上も飾られた 古酒の数々
母若き頃の洋服・和服は タンスひとつ分
僕が使った 端午の節句
ランドセルや習字道具のセットも
ダンボールに入った リストラ対象

最後まで処分を拒んだ母に 結局根負け
狭くなった実家
「愚痴」と「思い出」で溢れていた


引っ越し   須田 嘉文  京浜詩派第218号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

親孝行   須田 嘉文 (京浜詩派217号より)

親孝行   須田 嘉文

僕が幼少の頃 喘息という病気は
あまり知られていなかった

そのときは日曜日
何かの発作で 呼吸もままならない
異常に気がついた母 カッパを着た自分をおぶさり
土砂ぶりの雨の中 タクシー・電車を乗り継ぎ
近所の町医者を駆けずり回ってくれた

「単なる風邪だろうから 他をあたって」
どこも門前払い それでもあきらめず母は小走り
「あとここしかない」鬼気迫る
ずぶ濡れの母と自分を見た 町医者の先生
すぐに迎え入れてくれ「それで風邪なわけがない」
真っ暗な院内で明かりを灯し 診察してくれた
当時 よくわかっていない喘息について
研究をしていた有名な方だった
名前も顔も覚えてない 命の恩人
自分の病気が 気管支喘息だと判明した

数年後
引いた風邪から 発作が発生
今回はひどく 点滴でも収まらない
自分の風邪が伝染った母親
母が測った体温計は四〇、九度
それでも徹夜で自分を看病していた
「息子さんより重症。早く入院してください」
そう医者に言われても「私は大丈夫」と
そのまま看病を続けてくれた


母は七三歳 心臓病のほか
ストレスからか 精神的な病も患っている
母の状態に苦心するたび
あの時のことを思い出す

母の愛情は 生涯忘れない
自分に家族が 子どもができたなら
母から受け取った愛情を 注ぎたい

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

将来   須田 嘉文(京浜詩派216号より)

将来   須田 嘉文

起床は朝六時 昨日の疲れは残ったまま
通勤電車 両手は吊革 身体を小さくする
時間前に出社 上司の機嫌が悪い
うつむいて パソコンを操作

賑わう社員食堂 一人で入る
女子トークを横に 黙って食べる

トラブル発生 取引先で打ち合わせ
担当者に 誠意を尽くし 頭を下げる
会社に帰り 問題の解決に没頭

帰宅は終電 酔っぱらいばかりの満員電車
夢はなんだった 自問自答
このままじゃだめだ 
持ちつづけている夢に
なんとしても チャレンジしたい

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ジャンル : 小説・文学

自衛の落とし穴  須田嘉文

自衛の落とし穴  須田嘉文
自衛の落とし穴  須田嘉文



自衛の落とし穴  須田 嘉文  「京浜詩派 211号」より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

日本に生まれて 須田嘉文

日本に生まれて  須田嘉文

日本に生まれて  須田嘉文  「京浜詩派 210」より

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ジャンル : 小説・文学

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