労組はだれのもの   磐城 葦彦 -京浜詩派 第218号より

労組はだれのもの   磐城 葦彦

「連合」と呼ばれた組織は
どこと どこと 連なっているのか
二十八年前に結成されたときは
八百万人を数えていたのに

年々歳々 減るばかりで
いまや 六百八十万人になった
組織率は 十七パーセントに低迷し
非正規労働者は 四割に近づく
なにが先進国なものか
そこにあるのは 無権利状態
時間外労働を野放し 
過労死が横行
官制労働組合と言われても
ずるずると 落ちていく蟻地獄
団結権を保障している筈の憲法も
どこへやら 風前のともしび

原発稼働ゼロと決めようとしても
電力 電機など 大きな組織が猛反発
国民の過半数以上が 脱原発を
願っているのにもかかわらずのありさま

自公政府は 会社が気にくわない者を
勝手に解雇しているのを放置
「連合」は なめられっぱなし
ああ 誰の味方なのか 誰の組織なのか

わたしは かつて組織の先頭に立ち
「連合」の結成に 反対した
拒んでも 拒んでも つくられてしまった
その日のことを 思い出しては
おのれの首を絞めるという行為が
はびこっているのを うれいてならない

労組はだれのもの
労働者よ 未来をみよ 目を覚ませ
だれのものでもない 自分のものだから



労組はだれのもの   磐城 葦彦 -京浜詩派 第218号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

大地を継ぐ  磐城 葦彦(京浜詩は217号より)

大地を継ぐ  磐城 葦彦


福島第一原発が爆発し
周辺の農地は すべて出荷停止されたが
あれから五年余経ったいまも
まだ風評被害はやまない

安全な農作物を 長いこと
作りつづけてきた人が
畑のなかの木で 首をつって命を絶ったのを
どうして忘れられようか

有機農業のためにこしらえた腐葉土も
汚染されてしまったから
作物の 出回っていく先も失われてしまい
福島産だから 買わないと伝えられた

あのときのくやしさを
どうしていくか

ウラン鉱山の歴史を思いながら
ふるいたっていく勇気

食いたくない 食えないから
次から次へと 広がっていく言葉のむこう
大地は 小さくしぼんでしまうが
いつまでも 翻弄されてはたまらない

この現実にどこまでも肉薄し
立ち上がっていくひとたち
沈黙してはいられない
愛し 育ててきた大地を 目の前に

なにかを 伝えたい
希望の大地が まだ あるのを
受け継いでいくのを みつめなおしたい
ここに 存在しているのを

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ジャンル : 小説・文学

無念の牛たち  磐城葦彦 (京浜詩派216号より)

無念の牛たち  磐城葦彦

あの声を 聞いたか
地の底を這う うめきを 聞いたか

いくつもの牛舎で
ばたばたと倒れていく牛たち

激しい揺れにも 耐えながら
地鳴りして襲ってきた力にも
怯まなかった牛たち

だが あれから
放射能汚染地域に放置された揚句
どこへも 避難できないまま
一気に 抹殺の対象とされてしまい
牛舎で 牧草地で
死にいそぐのを 拒んでは 狂気の沙汰
暴れまわって逃げようとしたが
逃げたのは にんげんたち

あたりは 一面の無人の荒野
生き残った牛たちは
生と死の境界で 遮られ
行く先を失い 見捨てられた 虜囚
立ち入り禁止の危険地帯のなかで
日が日を重ねるたびに
飼料もなく 飢えをしのごうと さすらい
やがて 衰弱したからだをよせあい
息の根を断ち 逝った

あの大地震から 五年
進化がもたらしたもののけの放射能
ものいわない牛たちの遺体はその証し
いまもいっこうに減らない放射能線量の濃度
いずれ にんげんも 冒されていくだろう

無念の牛たちの怨嗟の叫びが
葬送の鐘を鳴らそうと 風が運んでくるとき
その無念の連鎖が 増殖していく

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ジャンル : 小説・文学

戦争法案廃棄への思い  磐城 葦彦

戦争法案廃棄への思い 磐城 葦彦

戦争法案廃棄への思い    磐城 葦彦 「京浜詩派 211号」より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

風の声  磐城葦彦

風の声 磐城葦彦
風の声 磐城葦彦 02

風の声 磐城 葦彦 「京浜詩派 210」より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

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