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迎え火の奮闘記   まえだ 豊

迎え火の奮闘記   まえだ 豊


今年もまた 盆がやってきた
迎え火を焚く 我が家の場合
毎年 朝起きたら 真っ先に焚くのが
我が家の 流儀になっている
送り火のときにも
朝のうちに火を焚き 祖先を送る
明るい際に 来てもらい
明るいときに 帰ってもらう
その方が良いから 毎年そうしている

今年もまた いつものように早く起きて
すぐ 迎え火を焚こうと思い
玄関の前に出て 焚こうとするが
手が自由に 利かないボクには
何回マッチを擦っても 火がつかない 
ついても すぐに風で消えてしまい
なかなか燃えつかない
よく「マッチ一本火事の下」と言うが
こんな時は なかなか火がつかない
困ってしまう
今度こそと 意気込んで火をつけると
またすぐに 消えてしまう
心の中は もうイライラ・・・
火のように燃えてくるが 火はつかない
繰り返し 再々挑戦にするが
またやはり駄目 失敗だ
マッチの軸 折れ曲がった棒だけが
あちらこちらに 散らかっている

新聞配達の友人が 運良くやつてきた
彼に つけてもらって
やっと我が家に 迎え火が点灯した
それにしても マッチという奴は
なかなか 火がつかないもんだ
しみじみ思う
今度 送り火をするときは
いっぺんに すぐつくように
新たしいマッチを 買って来よう


京浜詩派 第220号(2017.12)より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

監視社会のニホン  まえだ 豊

監視社会のニホン    まえだ 豊



我々の心の奥までも抉り
覗き監視される「共謀罪」
何というかたちで
可決成立されてしまったのか
我々国民は
ちっとも納得出来ない

オリンピックのため
テロ対策準備法と言っても
共謀罪の性格が
充分に占められている
その証拠に 訳もなく
二七七項目の犯罪が対象となる

何の犯罪で 捕まえられても
不思議ではない
このことを 国民は


ご存知であるのか
おそらく昔の
治安維持法のように
捕まって 連行された時に
やっと気が付く「共謀罪」

安心して 暮らしていても
何処かで 知らないうちに
今日も 望遠鏡で見られ
密告も 横行して
監視されているんだ
 おお怖い 監視社会のニホン



「京浜詩派 第219号」(2017年9月発行)より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

赤線地帯   まえだ 豊  -京浜詩派 第218号より

赤線地帯   まえだ 豊

僕の家は 追浜からも船越からも
その途中に面してる
横須賀の方に出掛ける時には
必ず船越の方に行き 目的地に向う
少しばかり急な坂もあるが 坂があっても
その方が電車賃もバス代も 幾らか安く行ける
船越まで行く途中に 今はないが
皆ヶ作と読まれていた地域があり
六〇年くらい前までは 赤線があり
とっても栄えて 賑わっていた
毎晩のように あちこちに女性が立ち
呼び込みをしていた
僕は その頃はまだ幼かったから
何にも判らなかった
おふくろの下の弟が 結婚していたが
結婚生活がうまくいかなくて 毎晩のように
赤線地帯に入り浸りを続けていた
義理の私の父が よく見つけて連れ帰っていた
連れて帰っても またすぐに入り浸っていた
女房よりも 優しく可愛いがってくれるから

でもそのことが 二年ばかり続いたが
ようやく 目が覚めたみたいに
赤線地帯に通うのを止めてしまった
その二年後(一九五八年)には売春防止法が出来た
赤線にいた女性たちは 何処へ行ったのか
知る訳がなく みな姿が消えた

六〇年経った今日 
この地域に赤線があったこと
そしてこの辺りを皆ヶ作と
読ませていたことも
知る人は少なくなった

仮に今 赤線があったなら
僕もきっと伯父さんのように
毎晩のように通っていることと思いつつ
その街並みを通り過ぎているのだ


京浜詩派 第218号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

五〇年間通った床屋    まえだ 豊

五〇年間通った床屋    まえだ 豊


五〇年間二、三カ月くらい通ってきた
床屋が店を終うという
もう年だから さらに持病が出てきた
という理由で判らないことではないが
この僕にとつては誠に辛い
だって五〇年間通ってきた床屋だから
黙って椅子に座れば何の髪型か
判ってくれて刈ってくれる
そんな床屋が店終いされるというのは
僕にとつては辛い
障害を持つてる僕だから以前は
力が入ってしまい首が良く動いたもんだ
動かないように店の者が支えてくれた
自分で動かないようにすると
よけいに力が入り動いてしまう

五〇年間も通ってきたので慣れたか
それとも顔の神経が馬鹿になったか
判らないけど
最近ようやく動かなくなったのに
店終いするのは予想外だった

別の店に行けば良いと言うが
簡単にいけない
新しい店に行けば
僕は以前のように 慣れないために
また力が入り顔が動いてしまう
心配があって なかなか踏み切れない
そればかりではない
入り口に段差があるだろう
車椅子のままで入れないことだろう
そう思うと これからどこの店に
行ったら良いのか
大変に困ってる僕の心境



京浜詩派 217号より

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

海に面した畑  まえだ 豊

海に面した畑 まえだ 豊  01 京浜詩派212号より
海に面した畑 まえだ 豊  01 京浜詩派212号より

京浜詩派 第212号より 海に面した畑    まえだ 豊

テーマ : 詩・ポエム
ジャンル : 小説・文学

ボクら障害者は まえだ豊

ボクら障害者は まえだ豊

ボクら障害者は まえだ豊  「京浜詩派210」より

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ジャンル : 小説・文学

生まれたとき まえだ豊

生まれたとき まえだ豊


京浜詩派208号より 「生まれたとき」まえだ豊

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